設立のご挨拶
株式会社メッドフォルシュングは平成31年4月28日に設立された新しい会社です。
政府は2012年6月、医療イノベーション5か年戦略を策定し、オリンピック・パラリンピックの年である2020年までに「海外市場での医療機器・サービス等ヘルスケア関連産業での獲得市場20兆円」を目標とし、「日本のものづくり力を生かした革新的医薬品、医療機器、再生医療、リハビリ・介護関連機器等を積極的に海外市場へ展開する」と海外展開の方向性を明確にしました。2020年までわずかに1年を残すのみです。
日本の医療機器の多くは現在まで、大企業を中心にいわゆる診断装置、CT、MRI、超音波装置等が製品開発され輸出されてきました。しかし、ハサミ、メス、縫合糸、車イス等も医療機器であり、これらひとつひとつの製品の市場規模は小さいが種類が多いという特徴を持つのも医療機器です。
東京労災病院に在籍した10年間の間、理化学研究所そして東工大との共同研究、さらに大田区の企業の方とともに多くの医療機器を研究開発してきました。大田区には数多くの優秀なものづくり企業がありますが、医療機器の開発のイノベーションを起こすためには中小企業単体ではなく、大田区内の大学や病院との共同研究開発が必要となります。さらに、医療産業と言っても医食同源という言葉があるように食品関係、健康・スポーツ産業、介護等もその範疇に入るため、医療産業のすそ野は広い。。しかし、医療産業には他の産業にはない特徴がある。医薬品や医療機器は人体に及ぼす危険性があるため、その危険度によって、届け出、認証、承認といった許可(薬事申請)を自治体又は国からとらなければならない。大田区には高度管理医療機器を製造販売するために必要な製販の資格を持つ人材を有している企業はすくない。このような人材を雇用していない中小企業は、医療産業に参入することが出来ないという壁があります。さらに人工血管やステントといった失敗すれば人体に危険を及ぼすような高度管理医療機器の場合、販売をする前にそれらの医療材料が安全で有る事を実際の治療の現場で、臨床治験という形で証明しなければならない。この臨床治験は、入院費、検査費、手術費等、すべて企業の負担となるため億単位の資金と2-3年といった時間を必要とします。この臨床治験が第2の壁です。
大田区の中小企業が医療産業に乗り出すためには、この二つの壁を乗り越える必要がありますが、それは中小企業にとっては極めてリスクの高い壁です。
何故かと言えば、失敗すれば負債だけが残るというギャンブルに似た最終決断を迫られるのが医療機器商品化の現実です。
株式会社メッドフォルシュングの目的は、大田区の中小企業に代わって薬事申請を行うこと、さらに商品化の許可が下りた後の販売ルートを開発することです。
2019年度は、脳神経外科顕微鏡手術用のハサミの商品化、リハビリ支援機器の商品化、経頭蓋刺激装置の商品化です。
皆様、どうかご協力よろしくお願いいたします。